書店の投資本コーナーで抱く懸念

FIREマニュアル

我々はFIREにとって都合の良い時期しか知らない

 FIREブームがきてますね。書店の投資本コーナーに行くと、FIRE関連本が並んでいます。

 FIREが一般に認知されていくと、世間のセミリタイア者への理解が進み、セミリタイア者が生活しやすくなるのではないかと期待しています。セミリタイア志望者として、この流れは大歓迎です。

 一方、私が悲観的な人間なせいか、懸念も湧いてきます。

 このタイミングでFIREブームが来た理由のひとつは、この10年間の市況がよかったからです。この10年間、株価は右肩上がりで、海外でも日本でも投資家は急速に資産を拡大できました。FIRE達成者は退職後も資産を減らすどころか増やしている場合も少なくないでしょう。

 しかし、これはおそらく永続しないでしょう。「もっと少ない資産でも大丈夫だった。」FIRE達成者のそうした言葉には勇気づけられますが、頭の片隅では冷静にみる必要もあるのではないでしょうか。

 最近のFIREブームで我々が見てきたのは、市況が追い風となっている時期のFIREだけです。FIREのポジティブな側面ばかりを見ていて、FIREに対して少し楽観的なバイアスがかかっている可能性があります。

 今後市況が悪くなると、ブームに乗っかって十分な準備のないまま早期リタイアに踏み切った人が後悔するという事態が出てくるかもしれません。

一二三
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冷や水を浴びせる気はありませんが、よい時期だけをみて極端な楽観主義に陥るのは気をつけたいところだと思うのでした。

米国株式への偏重

 もうひとつ書店の投資本コーナーで目立つキーワードが、米国株です。米国株がブームになっている理由は明白で、ここ最近の米国株式のリターンが高かったからでしょう。

 たしかに最近の米国株のパフォーマンスはよかったですが、今後もこれが継続するかはまったくわかりません

 米国は今後も人口増加が見込まれるし、高齢化も他の先進国と比べて進まないし、ハイテク企業をはじめ世界を席巻するグローバル企業の大半は米国にあるのだから、米国経済は今後も成長を続ける可能性が高いでしょう。

 しかし、それらのことは市場参加者なら誰でも知っていることで、とっくに株価に織り込まれているはずです。今後も米国株のパフォーマンスが高いと期待できる根拠にはなりません。それは他の国についても言えることで、どの国の株式のパフォーマンスが高いかは全くわかりません。

 一般に集中投資のほうが運用結果の上下のばらつきが大きいですから、ある期間でトップの運用成績を残すのは、その期間で好調だった(市場の予想より上振れした)資産クラスへの集中投資です。色んな資産クラスに分散した投資は万年中位です。

 集中投資は上げるときの上げ幅が大きいですが、下げるときの下げ幅も大きいものです。リスクを抑える分散のありがたみを感じるのは主に下げ相場のときです。そのときになってから集中投資を後悔するという事態は避けたいものです。

 ここ最近好調だったのが結果的に米国株だったので、今は米国株ブームになっていますが、次の数年でパフォーマンスがよいのが新興国株式なら、そのころ書店には新興国株式の本が並んでいることでしょう。

 ブームというものは移ろいます。そして、ブームが来て初心者が手を出すころにはその資産クラスのブームは終わりかけていて、期待したような結果は得られなかった、というのはよくある話です。

 次に好調なのはまた米国株かもしれませんし、新興国株かもしれませんし、日本株かもしれません。わからないので、分散しようという話です。

 しかし、国際分散する投資方法は絶対にトップは取れません。トップを取ることはないので、おそらく今後も大きな脚光を浴びることはないでしょう。卒業後に顔を思い出すことができないクラスの地味な生徒のようなものです。テスト結果が偏差値50で自慢する人がいないように、国際分散投資の運用成績をドヤる人はいません。

 ですが、ずっと平均点を取り続ける手堅い投資法です。「平均点」と聞くとしょぼい感じがしますが、大事なのは「ずっと」のほうです。

 もちろん近年では、全世界株の時価総額のうち半分以上は米国株ですし、米国と他国の株式の相関係数も高いので、米国株オンリーと国際分散の違いは小さくなってきているようです。だからこれは今や細かい話なのかもしれません。

一二三
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しかし、分散効果がまったく無くなったわけではないので、それを見過ごしてしまうのはもったいないと思うのでした。

 この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

こちらの記事もご覧ください→「【共働き子持ち】私のFIRE計画【資産はいくら?】

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