資産を残したい場合のFIRE出口戦略

FIREマニュアル

資産を一定割合残せる確率 

 特にお子さんがいる方などは、遺産を残したい場合があるでしょう。FIREしても遺産を残すことはできるのでしょうか。

 基本的に4%ルールの考え方は、リタイア期間終了後に資産がゼロでなければよいという考え方で設計されています。逃げ切りが目標ということですね。

 一方、資産を残すことを目標に考えることもできます。この場合はリタイア期間終了後に資産を一定割合残していることが目標になります。

 まず、Early Retirement Nowから引用する次の表を見てみましょう。

 1番上の表は、25%刻みで株式比率を変えたそれぞれの場合において、リタイア期間30年と60年の各引き出し率の成功率を示しています。リタイア期間終了後に資産がゼロでなければ成功としています。逃げ切り目標のパターンですね。

 2番目~5番目の表は、リタイア期間終了後に資産をそれぞれ25%、50%、75%、100%残せた場合を成功とした場合の成功率を示しています。

 1番上の表(逃げ切り目標)の株式75%・引き出し率4%を見ると、30年の成功率は99%、60年の成功率は85%となっています。逃げ切りが目標なら、リタイア期間が長い方が成功率が低いという当たり前の結果です。

 一方、1番下の表(資産維持目標)の株式75%・引き出し率4%を見ると、30年の成功率は70%、60年の成功率は81%となっており、リタイア期間が長い方が成功率が高くなっています。資産維持が目標だと、リタイア期間が長い方が成功率が低いとは限らないのですね。

 もうひとつ、Early Retirement Nowから引用する次の2つのグラフも見てみましょう。

 上のグラフは3.5%の引き出し率、下のグラフは4%の引き出し率に対応しています。縦軸が成功確率、横軸が資産の株式比率です。濃い青い線がリタイア期間30年の逃げ切り目標、水色の線が同じく30年の資産維持目標、黄色い線がリタイア期間60年の逃げ切り目標、茶色の線が同じく60年の資産維持目標の成功率をそれぞれ示しています。

引用元:Early Retirement Now

 濃い青の線が、トリニティ・スタディの目標である、30年逃げ切りです。それと他の3つの線はかなり乖離しています。このことから、30年逃げ切りとは異なる目標に対してトリニティ・スタディで有効だった戦略がそのまま適用できるわけではないことがわかります。30年逃げ切りのために勧められることが少なくない株式比率50%は、他の目標に対しては株式比率が不足しているようです。

 リタイア期間60年については、逃げ切りにしても資産維持にしても、株式比率を70%以上にするのがよさそうです。特筆すべきは株式比率が70%以上となると、両者の成功確率にほとんど差がないということです。

 リタイア期間60年のような長期になると、逃げ切りを目標に株式比率と引き出し率を設定すれば、それで資産維持も達成できる見込みが高いようです。

 以上、資産を残したい場合の出口戦略についての解説でした。皆さんのご参考になれば幸いです。

遺産について私の考え

 ちなみに、私は遺産を残すより、お金が余りそうなら積極的に生前贈与しようと思っています。私が死ぬ頃には子供も高齢者になっているはずで、そんな年齢でもらってもあまり有効に使えないでしょう。若い頃に貰ったほうが、子供にとっても効用は高いはずです。

 また、お金を残すよりは、金融知識や貯蓄の習慣のように相続税のかからない知識や習慣という形で資産を残したいと考えています。

 まあ、考えは変わるかもしれませんが。

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