FIRE失敗を避ける秘技【エクイティ・グライドパス】

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 おすすめのSRR対策の手段のひとつとしては、エクイティ・グライドパスという戦略があります。

 この記事ではその手法と効果についてご紹介します。

エクイティ・グライドパスとは

 「グライドパス」とは、航空機が着陸する際の侵入ルートのことです。一般的なグライドパス戦略は、年齢の増加とともにリスクの高い株式の比率を下げていく戦略のことをいうようです。その軌跡が航空機が着陸する際の侵入ルートに似ているからでしょう。

 下のグラフのように、時間とともに株式比率を下げて国債等の安全資産に置き換えていくのがグライドパス戦略です。

一般的なグライドパス戦略

 一方、エクイティ・グライドパスは、逆に株式の比率を上げていく戦略です。リタイア時に低い株式比率からはじめ、少しずつ株式比率を上げていきます。

エクイティ・グライドパス

 上のグラフではリタイア時点の株式比率60%で月0.3%ずつ67カ月かけて80%まで引き上げています。SRRの影響が大きいリタイア後最初の数年間の株式比率を抑えることで、リタイア直後の株価下落時に株式を大量に売却するという失敗パターンを抑制し、FIRE失敗率を下げることが期待できます。

 長期のリタイア期間に対応するには高い株式比率が必要ですが、この戦略ではリタイアの数年後には高い株式比率に持っていくので、長期のリタイア期間でも持続可能です。

エクイティ・グライドパスの効果

 では、エクイティ・グライドパスの効果をみてみましょう。引き出し率3.5%、リタイア期間60年の失敗率です。

引用元:Early Retirement Now(一部加工)

 矢印で示した左から2番目の棒グラフが、株式比率80%固定の失敗率です。矢印で示した左から5番目の棒グラフが、エクイティ・グライドパスの失敗率です。このエクイティ・グライドパスでは、リタイア時点の株式比率60%で月0.3%ずつ67カ月かけて80%まで引き上げています。

 80%固定と比べてエクイティ・グライドパスは失敗率が少しだけ下がっていますが、効果はわずかですね。

 ただ、FIRE失敗が多い、リタイア時の株価の水準が高い場合はどうでしょうか。リタイア時点でCAPE>20の場合の失敗率をみてみましょう。

引用元:Early Retirement Now(一部加工)

 この場合ははっきりとした効果があります。2021年5月現在の株価は歴史的にみても高い水準にありますから、エクイティ・グライドパスは採用を検討する価値が十分ありそうです。

エクイティ・グライドパスのデメリット

 エクイティ・グライドパスにはデメリットもあります。

 まず、毎月の株式比率調整が面倒です。

 また、当たり前ですが、株式比率を下げている間は、期待収益が下がります。エクイティ・グライドパスは、代償として期待収益を下げることと引き換えに、FIRE失敗率を下げることができるということです。

 この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

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