この記事はシリーズ記事の第3回目です。第1回目をまだ読んでいない方はまず第1回目の記事からお読みください。
真の時間分散
この記事では前回まで説明してきたレバレッジを使った投資法が合理的な理屈「真の時間分散」を説明します。
時間分散の誤解
銘柄の分散効果を否定する人はいないでしょう。銘柄Aと銘柄Bに分散して投資すると、期待リターンをあまり下げずにリスクを大きく下げることができます。
一方、ドルコスト平均法とか積立投資が勧められる際に「時間分散」という言葉が使われることがあります。「買いのタイミングを分散しているから、高値掴みをしてしまうリスクを分散しているのだ」などという主張です。
しかしこれは誤りです。たとえば31歳から10年間、積立投資をしていくと、エクスポージャー(リスク資産額)は下の図のようになります。

時間軸でみると、40歳の年に大きなリスクを取っており、40歳の年の市況に大きく偏った集中的な投資になっていることがわかります。
真の時間分散
では、真の意味で時間分散できているとはどういうことでしょうか。
それは次のグラフのようにすべての年で同じエクスポージャーにすることです。

これなら、どの年にも偏りがなく、同じ重みで賭けていることになります。エクスポージャーをできるだけ均すというのが「真の時間分散」なのです。
レバレッジを使う
しかし、ここで問題が出てきます。若い人はそんなに金融資産を持っていません。そのために下のようにレバレッジを活用するということです。黄色がレバレッジ部分です。

ただし、高倍率のレバレッジは危険すぎることと、コストが高くなるため、レバレッジの倍率には上限を設けます。ここでは、『ライフサイクル投資術』でも推奨される2倍以内という制限に従います。つまり下のようにするということです。

この手法を用いてFIREを目指すのが、本シリーズの戦略です。
レバレッジを実現する手段について次回以降で検討します。
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