この記事はシリーズ記事の第4回目です。第1回目をまだ読んでいない方はまず第1回目の記事からお読みください。
合理的レバレッジ投資法の実践方法
前回、合理的レバレッジ投資法が合理的な理屈「真の時間分散」について説明しましました。
いよいよ実践方法について考えます。
実践に移すにあたって、問題はレバレッジをどうやって実現するかです。先物取引、オプション取引、CFD、レバレッジファンドという手段があるようです。シンプルに借金して投資するという手段もありますが、現実的でないので省略します。
先物
先物取引とは「将来の定められた期日に商品の受け渡しを行う約束をして、その価格を現時点で決めてしまう」という取引です。
この定められた期日をSQ(Special Quotation)日と呼び、期日がある月を限月(げんげつ)と呼びます。限月は3、6、9、12月のように決まっています。
SQ日は取引期日なので、その日までに決済をしなければなりません。長期保有するためには期日毎に決済し、次の限月の先物に乗り換えていく作業が必要なようです。
ここからがレバレッジに関係してくるのですが、担保として「証拠金」を預けることにより、取引したい金額を全額用意することなく取引ができます。これを「証拠金取引」と呼びます。これにより、レバレッジを効かせ、手持ち資金よりも大きな金額で取引が可能になります。
市況が悪くて損失が大きくなると、より大きな証拠金を要求され、指定期限までに追加で証拠金を積まなければなりません。これを追証(おいしょう)と呼びます。そのため、気を張って管理する必要があります。
先物は取引単位が大きく、まとまった証拠金がないと取引できないようです。
先物取引は、もっとも低コストでレバレッジをかけられる手段と思われます。楽天証券ではE-mini S&P500 やTOPIXの取り扱いがあります。
しかし、決済期日や追証の管理が大変そうなので、働いて子育てもしながら管理するのはちょっと辛いかなーということで、私は採用は見送りました。
また、必要な証拠金の額が大きいようなので、資産が少ないうちにレバレッジをかけるという合理的レバレッジ投資法との相性はあまりよくないように思えます。
オプション取引
オプション取引は「将来の定められた期日に、あらかじめ定められた価格で、原資産を『買う/売る権利』を売買する取引」です。買う権利のほうをコール、売る権利のほうをプットと呼びます。
例えば、100万円の価格の商品を3か月後に50万円で買う権利を50万円で買えば、3か月の間2倍のレバレッジをかけていることになります。
『ライフサイクル投資術』で推奨されている方法は、コールオプションを使う方法です。ですが、国内証券会社のオプション取引では海外株式指数の取り扱いがないようです。楽天証券では日経225の取り扱いはあります。
調べた限り、国内では個人投資家がオプション取引をする環境は十分でないようで、また、やはり決済期日や追証の管理もネックとなり、私は採用を見送りました。
CFD
CFDとはContract for difference の略で、日本語では「差金決済取引」です。CFDでは現物の資産を保有せず発生した差額分だけをやり取りします。つまり、利益が出たら利益分のみを受取り、損失が出たら損失分のみを支払う形で取引を行います。
担保として「証拠金」を預けることにより、取引したい金額を全額用意することなく取引ができます。追証があるのも、先物・オプション取引と同様です。
決済期日がない点が先物・オプション取引と異なります。一般に先物よりも小さい単位で取引ができ、より少ない証拠金で取引をはじめることができるようです。
楽天証券では日経225やS&P500の取り扱いがあるようです。
やはり追証の管理がネックとなり、私は採用を見送りました。
レバレッジファンド
一番手軽なのはこれです。レバレッジのかかった投資信託やETFを購入して保持すればよいだけです。期日や証拠金の管理が必要ありません。
できるだけ低コストのファンドを選ぶ必要がありますが、他の手段と比べてハードルが低く、個人投資家には一番手が出しやすい手段ですね。
まとめ
管理の手間を厭わず、まとまった資産があって、できるだけ低コストでやりたい人は先物、手間をかけず手軽にやりたい人はレバレッジファンドを利用する、というのが実践手段になるのではないかと思われます。

働いて子育てもしながらの資産運用になりますので、手間の小さいレバレッジファンドを使っています。
しかし、レバレッジファンドの値動きの問題があります。これは次回考えます。
コメント