FIREとは、資本主義の仕組みを最大効率で利用し、その仕組みの中で搾取される労働者の立場から脱するという行為です。とっても痛快ですね!

オラも早く自由になりたあああい!
早く達成して「ざまあみろ!資本主義!」って言いたあああい!
SNSでFIREを達成した人を見たり、会社で嫌なことがあると、上記のような心理状況になりますね。
しかし何事も焦りは禁物です。
この記事では落ち着いてFIREという行為を見直したいと思います。
FIREは競争じゃない
FIREは早く達成することを競う競争ではありません。早くFIREしたいあまり、不適切にリスクを取り過ぎた投資に走ってしまわないように気を付けましょう。
また、FIREは資産額を競う競争でもありません。SNSを見ていると、中には多額の資産を築いてリタイア生活をしている人もいますが、それに引っ張られて自分もそのくらいの資産を築かなければと考える必要はありません。重要なことは、自分にとって最適なのはいくらかということです。
FIREのために今を犠牲にし過ぎるのは考えもの
収入を上げようと、副業に力を入れすぎて家族との時間を失っていませんか?
節約し過ぎで経験の機会を逸していませんか?
一般的にはカネを使う効用は若いときのほうが高いです。
同じ海外旅行でも、若い時なら体力もあり、感性も鋭く、存分に楽しむことができます。高齢になってからではすぐに疲れてしまってあちこち見て回るよりホテルで休んでいる時間が長くなりそうですし、異文化への感動も若いほどではないかもしれません。
教育への支出も、若い頃におこなったほうが、相対的に効果は高そうです。
FIREを目指す過程も大事な人生の一部です。幸せなリタイア生活のためとはいえ、今を犠牲にし過ぎないようにしたいものです。
FIREはごく普通の資産形成の結果に過ぎない
資産変化は次の式で表されます。
資産変化=(収入-支出)+資産×利回り
ですから、資産の増加速度を上げるには以下の①~③のいずれかしかありません。
- ①収入を上げるか
- ②支出を下げるか
- ③利回りを上げるか
①~③を今を犠牲にし過ぎないように無理のない範囲で調整し、人生トータルで最適化するのです。資産形成論とは結局のところこれに尽きます。
これはFIREのための資産形成でも同じで、FIREを目的にしているからといって特別な手法があるわけではありません。
FIREといっても普通の資産形成のちょっと極端な一例に過ぎません。①~③を最適化した結果、貯蓄率が高い人は早期に働かなくてもよいほどの資産を形成し経済的自立(FI)に達します。その中でも会社を辞めたい事情がある人が早期リタイア(RE)を実行し、結果としてFIREとなるのです。
①~③の最適化の結果がFIREであって、その逆ではないのです。
FIREを目標にして、①~③をその達成のために最適なポイントからずらす、というのは本末転倒です。我々は①~③を最適なポイントに調整し、粛々とやっていくしかないのです。
途中で道を変更してもOK
私が喉から手が出るほど欲しい「会社からの自由」も、FIREでなくとも手に入るのかもしれません。
能力や実績が高まっていつでも転職できるようになったり、副業がうまくいって独立してやっていけるようになれば、資産が年間支出の25倍もできていなくても「会社からの自由」は得られます。FIREは手段に過ぎないので、別の手段で目的が達成できるのであれば、もう用済みということになるでしょう。
投資がうまくいかなかったり、予想外の大きな支出があったりして、FIREを途中であきらめることになるかもしれません。
それでもFIREに向けてやってきたことは無駄にならないはずです。築いた資産、副業収入、身に付けた金融リテラシー、低コストで幸せに暮らす技術・・・どれも今後のあなたを助けるでしょう。
FIREは人生の究極目標なんかではありません。FIREを絶対視せず、適度にカネを使いながら、場合によって別の道も探りつつゆるく目指すぐらいがちょうどよい姿勢なのではないでしょうか。
おわりに
いかがだったでしょうか。
この記事が皆さんの焦りを鎮めることはできたでしょうか。
ちなみに私の今の気持ちはこんな↓感じです。

オラも早く自由になりたあああい!
早く達成して「ざまあみろ!資本主義!」って言いたあああい!
こちらの記事もご覧ください→「【共働き子持ち】私のFIRE計画【資産はいくら?】」
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