資産取り崩し時の税金を減らす方法

FIREマニュアル

 運用を続けながら資産を取り崩す場合に重要なことのひとつは税金支払いの先延ばしです。税金支払いを先延ばしできれば、運用額を大きく保て、より大きな利益が期待できます。

 この記事では資産取り崩し時の税金を減らし、支払いを先延ばしする方法をご紹介します。

税金の計算例

 準備運動として投資にかかる税金の簡単な計算例を考えましょう。

 特定口座での運用利益には約20%(正確には20.315%)の税金がかかります。

 200万円の評価額のうち150万円が元本で、50万円が含み益だとしましょう。評価額のうちの含み益の比率は25%です。これを10万円売却した場合の税金は、2.5万円の20%で、5千円になります。

積立時期をずらす

 投資ではNISAやiDeCo等の非課税口座を優先的にフル活用すべきですが、それ以上の運用資金がある人は特定口座で運用することになると思います。

 特定口座での運用は、積立時期をバラバラにして、同じ資産クラスの投資信託を使い分ける、証券口座を分けることで、含み益の比率がバラバラな複数に分けることができます。

 例えば、全世界株式クラスなら「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」と「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」は信託報酬等がわずかに違うだけで同じ資産クラスの商品であり、ほとんど違いはありません。「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」をずっと特定口座に積み立てていた人が、最後の1年だけは「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」を積み立てるのです。

 含み益の比率が小さいものから取り崩すことにすれば、税金の支払いを少なくすることができます。

 一例をみてみましょう。

 (比較例)「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」を4500万で含み益が1500万、特定口座で運用しているとします。リタイアの1年前に「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」を200万を特定口座で積立て、リタイア前1年間の全世界株の利回りは5%だとしましょう。普通は月毎に積立てるのでしょうが、ここでは簡単のため年初に一括で積立している想定です。リタイア時の特定口座は、以下のようになります。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」:評価額4935万、含み益1735万、含み益率:約35%

 200万を取り崩すと税金は、200万の35%である70万に20%かかるので、14万円となります。

 (税金を減らす方法例)次に、リタイアの1年前に「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」ではなく、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」を200万を特定口座で積立てたとすると、リタイア時の特定口座は、以下のようになります。

 「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」:評価額4725万、含み益1725万、含み益率:約36.5%

 「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」:評価額210万、含み益10万、含み益率:約4.76%

 「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」のほうを200万を取り崩すと税金は、200万の4.8%である9.6万に20%かかるので、1.92万円となります。

 先ほどの比較例では14万円でしたから、同じ200万円を取り崩しているのに、12万円以上も税金を安くできました!

 ある商品にこだわりがあるのであれば、その商品を別々の口座で持つことにすれば、同じことができます。

 ただ、19年間の運用と20年間の運用では、平均回帰によって、ほぼ同じ含み益の比率になる可能性が高いです。管理が面倒になるため、リタイアして取り崩すまでに時間があるうちからやるのはあまりおすすめしません。

 一方、リタイア間近の数年は含み益の比率にばらつきが出る可能性が高いので、この数年をいくつかの期間に分け、それぞれの期間で投資信託、証券口座に分けて積立運用しておくことがおすすめです。

確定申告

 投資にかかる税金を減らす他の方法として、確定申告して各種控除を利用すると、税金の還付を受けられる可能性があります。それについては機会があれば別の記事にしたいと思います。

 この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

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